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同窓生

第21章 悩み事

「美桜、行こう。」

今日初めて名前を呼んでくれたのではないだろうか?

『あ、うん。奈瑞菜さん、さよなら。』

「もう!この前は、ありがとねー!」

それだけ言って、奈瑞菜も歩き出した。

『この前?』

敦に聞くが、

「ここ、入ろう?」

『うん。……え?本気?』

「あぁ。」

敦が誘ったところは、ラブホ。

『やだ!敦くん、今日、変だもん。このところずっとおかしいもん。私が何かしたの?』

やっと、聞けたのだが、美桜にとってはこれが精一杯だった。

「ごめん。美桜のせいじゃないんだ。オレが悪いんだよ。」

切なくなるほどの悲しい顔で、敦が言った。

『話せることではないの?』

「……美桜に嫌われたくない。別れたくない。」

『え?そんなに重大なことなの?』

「あぁ。」

『逆の立場だったら?それを私がしたら、敦くんは別れる?』

「うーーーん。オレは例え美桜が……そうだな……援交したとしても、ギャバのバイトしたとしても、浮気したとしても、オレは美桜のこと好きでいられる。別れないと思う。」

『そう。……私も例え敦くんが誰かに誘惑されて、浮気したとしても、誰かに騙されて危ないことしたとしても、私は敦くんのことが好きだよ。』

「それは、本気?」

『うん。本気。』

真っ直ぐ見つめる美桜の瞳がとても優しくて、敦はとうとう、奈瑞菜との出来事を話すことにした。

場所を変えて、テラスのあるカフェで。

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