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同窓生

第22章 赦し愛し

「美桜……ゴメン。」

そう言えば美桜も従兄弟たちに……

そんな夏を思い出していた。

反対に美桜はあのとき泣いたのに、その後、時間が経ってから敦と会ったからなのか、従兄弟たちとの出来事を思い出すこともなかった。

悪いと思っていたのにだ。

そっちのほうがよっぽど酷いのではないかと思った。

今、それを打ち明けるべきなのか……

美桜も考えていた。

『敦くん。いいよ。……私も敦くんのことだけ責められない。』

話すことにした。

「美桜?」

『夏に……おばあちゃん家で……従兄弟と……会って、告白されたの。』

少しずつ話した。

『すごく後悔して泣いた。でも、俺達が誘ったんだから、美桜は悪くないって。彼には言わなければ良いことだって…………ごめんなさい。今ごろ。』

顔色が曇ってきた敦だが、美桜のことを責められないと思って、堪えていた。

「美桜……やっぱ、もっとちゃんと話せるとこに移動しよう?」

敦が提案した。

『うん。』

怒っているに違いない。

別れると言われるかもしれない。

美桜は話したことを後悔してた。

目と鼻の先にある、ラブホに二人は入った。

初めてのラブホで二人とも緊張していた。

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