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同窓生

第3章 初めての夜

結局、夕方までゆっくりした。

終わったあとの恥ずかしさったらなかった。

目も合わせられないし、喋りもぎこちないし。

でも、敦くんが頭を撫でて、

「美桜とひとつになれて、本当に幸せだよ。ありがとう。」

そう言ってくれた。

『私も嬉しかったよ。』

「最後までしないつもりだったのに、ごめんね。」

『ううん!コンドーム、持ってて良かった。』

「夏休み前にあった保健の授業でもらったんだよ。」

『じゃあ、もうないんだ?』

「そ。残念?」

あ!また、意地悪敦くんだ!

『う……うん///』

でも素直に答えた。

「俺も!今度、ドラッグストアで買ってくるよ!」

『ふふふ!ありがと♪』

そんな会話をして、麦茶いただいて、おやついただいて、お腹満たされたら一眠りしちゃった。

目を醒ますと敦くんが机に向かってた。

時計を見ると、夕方の5時。

まだまだ外は明るいけど、そろそろ帰らなきゃ。

「美桜、起きた?」

『うん。』

「帰る?」

『……うん。』

「送ってくよ。」

『ありがと』

そして、手を繋いで300メートル離れた私の家に向かった。

敦くんの両親も私の両親も共働き。

お互い一人っ子。

近くに親戚とかもいないから、低学年の頃は学童保育を利用してた。

今は高学年だから部活もやってるし、学童は利用してない。

私も敦くんも小学校に入学するのと同時にこの土地に家を建てて引っ越してきたから、同じ境遇で親近感を感じてた。

そんな昔話をしながら帰った。

家に帰ると懐かしいアルバムを開いた。

小学校に入学してすぐの遠足。

バスの席が敦くんと隣だった。

たくさん話しかけてくれて、嬉しかったなー。

運動会。

玉入れのとき、かがんで立とうとしたら敦くんと頭をぶつけちゃって、敦くんも痛かったろうに、泣く私のこと気をつかってくれたなー。

いろんな思い出が、昨日のことのように思い出される。



♪♪♪~

あっ!18時。もうすぐ母さんが帰ってくる。

ご飯とお風呂と洗濯物!

急いでお米をといで、スイッチオン!

おかずは麻婆豆腐でいいや。

お風呂も洗って、沸かす!

洗濯物、たたんでしまう!

夏休みの宿題も少しはやらなきゃな。

お風呂が沸いたことを知らせる音楽が鳴る。

♪ピンポーーン♪

母さんだ!

『おかえりなさい!』

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