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同窓生

第3章 初めての夜

「おかえりー」

『おかえりなさい///』

「どーした、美桜?顔、赤いぞ?」

「それがね!」

『母さん!』

「良いじゃない。龍美さんだって聞きたいはずよー。」

父さんの名前は龍美と書いて、たつよしと読む。
ちなみに母さんは優桜と書いて、ゆあらと読む。
二人とも名前で苦労したから娘にはなるべく分かりやすくて可愛い名前を!と、思って考えてくれたのがこの名前。
読めるし、可愛いし、春生まれって分かるから大好き!
二人の一字をとって付けられたのは偶然なんだとか。
ちなみに誕生日は3月3日。

『恥ずかしいってば!///』

「なんだよー。父さんだけのけ者かよー。」

そう言ってしゅんとするからいつも父さんには秘密が作れない。

「美桜ね!彼氏ができたんだって!」

母さんが花のようにキラキラした笑顔で父さんに伝えた。

父さん、がっかりするのかな?

「相手は、敦くんか?」

あれ?

「そうなのよ!」

「彼なら安心だな!」

「そうね!」

「我が娘ながら良い男を捕まえたな!」

「あたしに似て、男見る目あるわね!」

「ハハハ!そうだなー!」

二人でめっちゃ盛り上がってる。

『父さん……がっかりとかないの?』

ポソッと呟くように言った。

「なんで?……あぁ!あれか!娘をとられて!みたいなやつか。……うーん。そういうのは、結婚となれば別かもしれないけど、今は美桜が好きな人と結ばれたことが素直に嬉しいよ。」

父さん……

『ありがと///』

「母さん!アレ、渡した?」

「バッチリー!」

「美桜!いつヤっても良いが、まだ子どもは作るなよ?それだけは頼む!」

そう言って父さんは私に手を合わせた。

やっぱ、変な親……。

三人で夕飯を囲みながら、話題は恋愛トーク。

母さんと父さんは出会った瞬間、恋に堕ちて、すぐに付き合って、すぐに私ができたんだって。

母さんは父さんと付き合う前は恋愛に夢中になったことはなかったんだって。常にキープはいたって。でも言い寄られるからキープするけど、ときめきはなかなかなかったんだって。

父さんも三股くらい平均で、最高七股したけど、母さんと出会ってすぐ、他の人とは別れて、母さん一筋になったんだって。

二人ともけっこうモテたみたい。

私はこんなに若いうちから夢中になる人と出会うなんて……素敵!

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