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同窓生

第9章 離れた時間

車に戻ると、美桜はまだぐっすり夢の中。

そうこうしてるうちに

「美桜!起きて。そろそろ着くよ?」

優桜が優しく起こす。

『うーーん。』

おばあちゃん家はもう目の前だ。

『あれー?結構寝てたな、私。あそこからだとあと15分くらいかと思ったのに。』

そう呟いた。

「途中、私が気分悪くなっちゃって、コンビニに寄ったのよ。」

優桜が言う。

『母さん、大丈夫?』

「うん。もう大丈夫よ。」

『良かった。』

少し心苦しい反面、バレてないことに安堵する。

「美桜、荷物運ぶの手伝って?」

龍美が言う。

『はーい。』

田舎の空気は癒される。

スーーッと息を吸う。

胸いっぱいに新鮮な空気が満たされる。

『おばあちゃん!こんにちは!』

元気よく挨拶をした。

「よく来たね。美桜。」

大好きなおばあちゃんが出迎えてくれた。

「よっ!久しぶり、美桜。」

『かっちゃん!』

そこには従兄弟の“吉井 克也”がいた。

克也は、優桜の姉夫婦(姉、爽歌:ソウカ 義兄、和臣:カズオミ)の次男、高校一年生。克也は、やんちゃな男の子だ。虫を採ったり、イタズラするのが大好きだ。

長男は、弥彦(ヤヒコ)。高校三年生。言いたいことがなかなか言えない、思春期真っ只中の受験生だ。

吉井家の夫婦、爽歌と和臣もぶっ飛んだ夫婦で、四六時中、イチャイチャしてる。

優桜にはもう一人、兄弟がいる。

末っ子長男の、清水 政親(キヨミズ マサチカ)だ。溺愛されて育ったので、ワガママだが、それを全て受け入れてくれた人が、妻の湖穂(ミズホ)。

二人の間には、小学三年生の女の子、静穂(シズホ)と、小学一年生の女の子、舞穂(マイホ)がいる。

二人ともお人形遊びやおままごと、鬼ごっこが好きな普通の女の子たちだ。

兄弟、従兄弟全員が集まるのは久しぶりのこと。

今回は祖父の3回忌となったため、集まることになった。

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