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同窓生

第12章 見上げた夜空

美桜は授業で習ったことを思い出しながら、浴衣を着た。

敦は甚平を着た。

敦が夕方、美桜の家に迎えに来た。

それこそ会うのは一週間ぶりだった。

そんなに離れることがない二人にとって、久しぶりに会うというのが新鮮だった。

そのせいで、美桜はドキドキが止まらなくなっていた。

会うまでは従兄弟たちとの出来事に申し訳なさを感じていて、どんな顔して会おうか悩んでいたが、そんな悩みはすぐにかき消されてしまうくらい、敦はかっこよかった。

歩き始めて2分程度。

敦が美桜の手を握って、

「美桜……。可愛いよ///」

敦が照れているのが分かった。

「あ、ありがと。敦くんも!かっこいいよ///」

やっぱり敦はカッコ良かった。

何を着ても似合う。

着こなしがずば抜けている。

服は母親が適当に買ってくるらしいが、それを選んで着るのは敦だ。そのセンスが良いのだろう。

女ウケする、男ウケする、嫌みのない着こなし。

なかなか小学6年生でできる人はいないだろう。

服の着こなしに関しては、美桜も負けていなかった。

流行りものだけで着こなすのではなく、自分の好みを取り入れながら、流行りものもワンポイントで使う。

好印象しか与えない。

美桜は敦がモテることを心配していたが、美桜も実はモテるのだ。

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