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同窓生

第12章 見上げた夜空

学校に着く間、誰にも会わなかった。

花火大会の場所からだと真逆の方向だからだろう。

途中、出店にだけ立ち寄った。

隣でキャッキャッとはしゃぐ美桜を愛しそうに敦は見つめていた。

学校に着き、露店で買った物を持ってきたレジャーシートの上に広げた。

ひととおり食べ終わると、二人は他愛のない話で盛り上がった。

学校の非常口階段の踊り場。

一番高くて、夜空に近くて、街を一望できる、実は素敵な場所。

『敦くんと来れて嬉しい!』

素直な気持ちを伝える、美桜。

「俺もだよ。夜景も星もキレイだね。」

『うん。』

少し風が吹いて、髪が顔にかかりそうになったので、手で髪をはらった。

その仕草が敦にはドキドキで、

「美桜も!キレイだよ!」

なんて照れながら言った。

『敦くん……』

見つめあえば、キスが始まる。

小鳥のような小さなキス。

『一週間、寂しかった……』

唇が離れた瞬間、敦に伝えた。

「俺も……もっと、触らせて……?」

コクンと一つ頷いた。

そしてもう一度、キス。

「浴衣って、脱いでも着れる?」

『う、うん。』

「じゃぁ、思うように脱がして良い?」

『ん……』

周りは暗くてよく見えないけど、懐中電灯で照らして、

シュルッと帯をほどいた。

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