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言葉で聞かせて

第8章 猫に恋敵

その数日後
店長の三崎さんがみんなを集めた


「今日は新入りを紹介する」


久しぶりだな
新入りなんて


「珍しいじゃん、店長」


伊勢さんが茶化すと、店長はタバコに火をつけながら「黙ってろ」と制した

「はぁい」と伊勢さんが退くと三崎さんは裏に通じる扉に向かって「入れ」と声をかけた

すると控え室からまだ若い青年が出てきた


「失礼します。初めまして、本日からこちらでお世話になります。森と申します。20歳です。よろしくお願いします」


あ?
なんか


「敦史?どうかした?」
「なんか……見たことある顔だな、と……」
「そうなの?僕はないと思うけど……」


どこだっけ


「あ……」
「じゃあ今日から入ってもらうから。誰かについて教えてもらってくれ」
「はい」


俺が思い出した直後、店長が言った言葉で森と名乗った青年は俺の前に歩いてきた


「よろしくお願いします」
「お前……」
「はい。先日はありがとうございました」


俺と森の会話に悠史が割り込んでくる


「敦史やっぱり知り合いだったの?」
「あーなんか……」


俺が答えようとすると森が悠史に対して先に答えてしまった

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