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言葉で聞かせて

第8章 猫に恋敵

それに気がついた流が少し前に乗り出す
さらに


「そうですか?でもやっぱり女性には敵いませんよ」


というリップサービスまで


よし


「こんなにつるつるな女いないわよ」
「しかも真っ白〜」


白い肌を撫でられて多少顔が強張っている流に、もう少し頑張れと念を送る


「綺麗な女性に触られて羨ましいですね」
「俺らは新人の時こんな扱い受けてねぇのに」
「ほんとですね」


そろそろダメか、と俺と悠史が口を挟むと案の定客は俺たちの元へ戻ってくる


「今からでもいいのにい」
「流星触ると嫌がると思ったの〜」


あぁ、嫌だよ
べたべた触られんの気持ち悪いんだよ

その手縛ってやりてえ

けどまぁ
今は我慢かな


「で?最近ご無沙汰だったのには理由があるんだろうな?」
「なにそれ。彼氏みたいなセリフ」


俺は女の耳元に口を寄せる


「違うのか?彼氏だろ。ベッドの中でだけだけどな」


顔を真っ赤にした女の手に俺の手を添える
手の甲をそっと指でなぞる

向こう側では悠史が客へのフォローとして口説き文句を囁いている


流はひたすら固まっていた


まぁ新人だしな
仕方ないんだろうな

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