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言葉で聞かせて

第8章 猫に恋敵

「……っは、ふ…」


千秋の口から声は出ないが、吐息からその片鱗を感じることができてまた胸が高鳴る


あーー
きもち

キスだけでこんなに興奮すんのなんて初めてかもしんねぇ


後頭部に添えていた手を首に移動して撫でると身体が微かに反応する

口を離すと千秋はほんのり熱のこもった目で俺を見つめた


上に乗っていた千秋と転がるように位置を変える

今度は俺が上に乗り、唇にキスを落とした
触れるだけで離れた唇を今度は首筋へ


だめだ
止まんね


キスして、舐めてじゃ物足りなくて
軽く吸い付いて跡を残していく


こんなことほとんどしたことねぇよ

千秋はほとんど家に引きこもってるだけだしいいだろ


俺が首筋を赤く染めている間千秋は俺を見つめながら優しい手つきで頭を撫でてきた


くそ
なんか余裕のないガキみてぇだ
だせぇ


実際千秋は俺より年上なんだが、経験豊富なのは明らかに俺なのに、と悔しい気持ちが湧き上がってくる

俺は上半身を起こして着ていたTシャツを脱ぎ捨てた


「ん?」


すると千秋が俺の身体をじっと見ていてつい小さな笑みをこぼす


鍛えてて良かったかもな


「ふっ、何俺の身体じっと見てんの?」


「えっち」と耳元で囁くと千秋が両手で自分の顔を隠した

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