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言葉で聞かせて

第8章 猫に恋敵


でも驚いたのは千秋さんの行動

放心したように固まっていた千秋さんは僕に向かって「こっちに来て」とでも言うように手を伸ばした


「ほら、千秋も来いってさ」


こくん、と喉が鳴ったのがわかる

だって僕に向かって手を伸ばした千秋さんは明らかに僕に対しても欲情した顔をしていたから
それにそれを快く受け止めて、同じように手を差し伸べてくれた敦史


あぁ、僕

千秋さんも、敦史も

愛してる


ベッドに近づいたところで突然敦史に手を引かれる


「!!!」


次の瞬間僕の唇には敦史のそれが押し当てられていた
しかもそれはただのキスではなく、ディープキス

ぬる、という感触と共に敦史の舌が僕の口内に入ってくる


うあ
待って

だめ


「んんーーーっ」


歯茎を舌でなぞられて、逃げたはずの舌を捕まえて絡ませられ
僕の抵抗虚しく敦史は存分に僕の口の中を舐め回してなら離れた


「どうして僕にキスしたんですか!?」


僕が言葉だけの抵抗を見せると敦史が厭らしく唇を舐めた


「……っ」


恥ずかしさに真っ赤になった顔をどうにか隠そうと顔を顰めているとそれまで横になっていた千秋さんが敦史の手を借りて起き上がっていた

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