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言葉で聞かせて

第8章 猫に恋敵

俺が千秋の身体を拭いて下着と適当な服を着せている間に悠史は折りたたみ式の椅子を持ってきた

そこに千秋を座らせて、既に身体を拭き終わっている悠史が千秋の頭を拭く


あーーーなんか
すっげえ眠い

あんなに気持ちいいセックスは初めてだったし、その後の世話なんかしてやったの初めてだし

疲れたんかな


俺が寝巻きに着替え終わると今度は悠史と交代して千秋の髪にドライヤーを当てる


「熱くないか?」


千秋が頷いたのを確認してからまた手の動きを再開させる


こんなことも、女にはしてやったことねぇな
ホスト始める前の彼女にさえやってやったことはねぇ

あえて言うなら小さい頃に悠史とお互いにやってたぐらいだな


指から柔らかく零れ落ちる毛が心地良い


「よし、もういいぞ」


髪から手を離すと、眠りそうになって船を漕いでいた千秋が顔を上げた

「ありがとう」と笑いかけた千秋に「あぁ」と返して自分の髪にもドライヤーを当てる


俺は別に半乾きでいいか、と適当に終わらせようとすると


「敦史、貸して」


と悠史が手を伸ばしてきた


「ん」


俺がドライヤーを手渡すと何故か悠史は俺の背後に回り俺の髪を乾かし始めた

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