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言葉で聞かせて

第8章 猫に恋敵

「おい!?」
「じっとして」
「いいって」


俺は抵抗するが、何の意味もなく髪に指を入れて掻き混ぜられる

その様子を千秋はにこにこしながら見つめていた


くそ
子供かよ


「はい、いいよ」
「……ん」


お礼を言うのも癪で、適当に頷いた


悠史も髪が乾かし終わるのを待ってから、俺たちはまた寝室に戻った
今日は俺が千秋と添い寝する日だからと悠史が自分の部屋に戻ろうとするのを千秋が引き止めて、結局は三人で俺の部屋にいる


さっきと同じように、真ん中に千秋
そしてその両サイドに俺と悠史

寝転がると千秋は何故か上機嫌に微笑んでいた


「どうかされましたか?」


悠史が尋ねるが、千秋は首を横に振るだけで答えようとはしない


だがまぁ、上機嫌なんだから別にいいか


「電気消しますよ」
「あぁ。頼む」


千秋も目でいいよ、と悠史に伝え、部屋が暗くなった


暫くの間沈黙が続いた後、千秋と悠史の寝息が静かに響いた


なんか今日は長え1日だったな

まさかの千秋との初セックスまで出来るなんて夢にも思ってなかった
一体何が原因で突然あんなことになったんだ?

いつも通り寝ようとしただけの筈なんだが


まぁいい
とりあえず今は

眠い

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