テキストサイズ

言葉で聞かせて

第8章 猫に恋敵

悠史目線

昨日の幸せな気分のまま起床して、寝ぼすけな敦史を寝室に残したままリビングへ行くといつもと同じように千秋さんが朝食を作ってくれていた


「おはようございます」


僕が笑いかけると、千秋さんも振り向いて微笑んでくれた


「身体、大丈夫ですか?」


僕の質問に少し間が空いて
かーー、と千秋さんの顔が赤く染まる


考えてもなかったって感じだし大丈夫そうかな

良かった
無理させてなくて


「頂きます」


千秋さんの素直な反応に軽く笑いながらテーブルにつき、朝食に箸を伸ばす


そういえば昨日って
どうしてあんな状態になったんだろう?

普通に考えれば敦史が誘った?
いやむしろ襲った?

だとしたらもしかして僕に伸ばされた手は誘っていたのではなくて助けを求めていた?

……あり得る


あらぬ解答に行き着いてしまって焦った僕は、事の真相を千秋さんに問いただしたくなったけど


流石に本人に聞くわけにはいかない、よね
出勤する時敦史に聞こう


僕が朝食を半分くらい食べ終えたところで敦史がリビングに入ってきた


「おはよう、敦史」
「……はよ……」


寝起き悪いなぁ

ストーリーメニュー

TOPTOPへ