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言葉で聞かせて

第8章 猫に恋敵

「よろしくお願いします」


流くんが頭を下げると楓くんは自慢気に胸を逸らした


今日は敦史と2人か


ちら、と敦史の方を見ると敦史も僕を見ていた


ーー今日はお前アフター行かねえだろ?

ーーうん。敦史は?

ーーまだわかんね。気が向いたら行くわ

ーー昨日僕も一緒に寝ちゃったから今日敦史も一緒に寝る?

ーー………アフター誘われても断るわ


ふふふ、と僕が笑うと敦史も笑う

他の人から見たら見つめあって突然笑い出したら変に思われると思うけど、他のキャスト達はみんなこんな光景慣れっこで気にも留めない


「よし、開店するぞ。お前ら頑張れよ」
「「「はい!」」」


みんながぞろぞろ出入り口に向かっている中、どこからか僕に向かう視線


「?」


見回すと


流くん?


お店に入ったばかりの新人さんは険しい顔をしながら僕の方を見ている、というより睨んでいる?


「僕の顔に何かついてますか?」


僕が声を掛けるとはっ、と我に帰った流くん「いえ、何でもないですっ」と行ってしまった


なんだったんだろう?
さっきも何か言いかけていたし

でも聞いても答えてくれなかったしなぁ

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