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言葉で聞かせて

第13章 言葉で聞かせて


俺が頭を撫でると、千秋が照れくさそうに微笑んだ


「いえ。……僕にはこれくらいしか出来ないので……」
「そんなこと言うな。そんなこと『しか』じゃねぇよ。もうそんなこと言うなよ」


俺は千秋の額を指で小突く
びっくりした顔で額を抑えた千秋は1日ぶりの屈託のない笑みで頷いた



出来る限り悠史のことは口には出さない
千秋から聞いてきたら、話そうと思う

今の状態で話して千秋が困るのを見たくないから



風呂に入って、適当につけた深夜テレビを見るでもなく眺めていると、携帯が光っていることに気がついた


メール……?
三崎さんからだ


滅多に来ない、というか今まで来たこともない三崎さんからのメールに驚きながら開封する


『悠史が今どこにいるかわかった』


「!」


仕事早っ
つーかどこにいるか……って、エリカとの新居ってことか?


画面をスクロールすると、メールに1件の地図データが添付されていた


「!?!?」


三崎さんからメールが来たことにも悠史の居場所がすぐにわかったことにも驚いたが、最も驚いたのは今悠史が暮らしている場所だった


ここ……って


何度も建物名や周りの地形なんかを確認する

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