
言葉で聞かせて
第13章 言葉で聞かせて
僕たちの部屋は4LDKだったけど、ここは普通に家族で暮らす用の……2LDKとか、かな?
ドアの数を何となく見ながら廊下を進み、リビングに入る
うわぁ、やっぱり
予想してた通りだ
エリカさんのパパが部屋だけ用意するわけないよね
リビングには特に家具類には関心のない僕でも知っている高級ブランドの家具達が揃っていた
ううん、まぁ……なんというか
ちょっと部屋と不釣り合いかなぁ
僕が部屋を眺めながら立っているとエリカさんが後ろで笑った
「びっくりした?パパからのプレゼントだって」
「そうですか」
「座って?今お茶淹れるわね」
寝るならカフェインが入ってないのがいいわね、と呟きながらキッチンに消えていくエリカさんを視界の端で見送って、僕は花柄がプリントされた革が張ってあるソファに腰掛けた
…………落ち着かない
「お待たせ」
暫くしてお茶を運んできたエリカさんが持っていたのはやはり高級茶器
一体いくら使ったらこんなものが揃えられるんだ
パパとやらはお金の使い方をわかってない
だから社員にお金を使われるんだ
心の中で毒づきながら「いただきます」とエリカさんの淹れたお茶を口に運ぶ
