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言葉で聞かせて

第13章 言葉で聞かせて


「っ!?」


けど、口に入れたお茶は


濃っ……!?


緑茶の筈なんだけど、飲んだこともないくらいの渋みが出ている飲み物で


やばい
これ飲めるかな、僕

吐き出したい……


僕が葛藤しながらなんとか口の中のお茶を飲み込むと、目の前のエリカさんが嬉しそうに笑った


「お茶の淹れ方、練習してきたんです。パパに毎日飲んで頂いて……いかがですか?」


親バカもここまで来ると感動です


とは、流石に言えず


「一生懸命練習されたのがわかりますよ」


と答えた


ここでホストの性が出るなんて

うわぁぁ……何度飲んでもキツい
不味い


「まだおかわりたくさんありますよ」と笑うエリカさんに流石に2杯目は遠慮して、湯呑みをテーブルに置く


しかし花柄のソファに緑茶って
なんて不似合いな

紅茶でもこの渋さが変わらないなら意味ないんだけどさ


お茶をお互いに飲み終わると


「……」
「……」


僕たちはお互いに無言になってしまった

流れる沈黙をどう思っているのかはわからないけど、エリカさんは僕の様子をチラチラと伺っている


何か話して欲しいのかな
それとも、ただ見ているだけなのかな

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