
言葉で聞かせて
第13章 言葉で聞かせて
次の日
目を離した隙に悠史に何があったのかを探るために、俺は三崎さんのところに出向いた
「失礼します」
「あぁ」
開店前に店で準備の指揮をとっていた三崎さんに声をかけて事務所に入れてもらう
「要件はまぁ……聞かなくてもわかる。悠史のことだろ」
「はい」
「なんだ?」
三崎さんがソファに座ってタバコを咥えた
ライターを出そうとしたのを手で制される
「あの日……エリカが店に来た日の悠史の接客の様子を写した監視カメラの映像を見せてもらえませんか」
この店の監視カメラは管理会社に委託しておらず、三崎さんと佐伯さんが管理している
俺はそのカメラに悠史があの女にされた何かが写っているんじゃないかと考えたんだ
「……」
暫く黙っていた三崎さんは、タバコの灰を灰皿に落としながら理由をきいてきた
「悠史とその女、店でなんかやったのか?」
俺が悠史の接客前後の様子を話すと、三崎さんは大きく舌打ちをする
無理か?
監視カメラなんて従業員にほいほい見せるもんじゃねぇよな
しかし三崎さんの舌打ちは俺の想像とは異なったものに対してだった
「俺の店で何やってんだそいつは」
