
言葉で聞かせて
第13章 言葉で聞かせて
「っぐ、ぅ……う、う……」
俺がピストンする度に苦しそうな声を上げる千秋の目からは大粒の涙が流れていて
フェラして一度は勃たせた千秋の性器は萎んでしまっている
でも俺にはそんなもの見えなかった
酒のせいなんて言い訳にもならねぇ
俺の中にあったのは
激しい嫉妬心と
千秋の気持ちが俺にないと悟った虚無感と
自分自身が最も恐れていた
激しい破壊衝動だった
悪い悠史
俺、やっぱりだめだった
ごめんな、千秋
お前のこと、愛してるんだ
ずっと愛してる
なのに
ごめん
ごめんな
ごめん
誰も聞くことがない謝罪を心の中でひたすら繰り返した
「はぁっ、はっ……ぁ、く……っあ……」
夢中で腰を振って千秋の中に射精した俺は、黙ったまま千秋の腕を解くとその辺に落ちていた服を乱暴に着て家を飛び出した
千秋はその間ずっとじっとしていて
一言も発することはなかった
深夜と呼べる時間も過ぎて
もうすぐ明るくなる時間
俺はただぼんやりと足を前に進めている
行く当てもなく彷徨う俺の頭には、最後に目に焼き付けるように見た千秋の泣き顔だけが鮮明に繰り返されていた
