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言葉で聞かせて

第13章 言葉で聞かせて

悠史目線


ひたすら我慢する日が続いた

僕は毎日のように誘惑してくるエリカさんからどうにか逃げ続けている

けど


もう何日経ったっけ
っていうか僕、何のためにこんなに頑張ってるんだろう

疲れちゃったな


疲労と睡魔
それぞれと戦う毎日は苦痛で、とにかくゆっくり眠らせて欲しいってそればっかり考えている


そう思っていたある日の朝、僕がこの家に入ってから初めてのインターフォンが鳴り響いた

僕は1日中ずっと家にいたわけだから、何日人が訪ねてきていないことだろう


でも関係ないな
僕は出れないし


朝だったこともあって、エリカさんも家にいて玄関にパタパタと走る音が聞こえる

このマンションは本当はオートロックだからインターフォン1度目で玄関に来るわけないとか、考えている暇もなかった


エリカさんが部屋に誘惑に来ない間は何もしたくないし、考えたくもないからぼーっと天井を眺めていた僕は、エリカさんの驚いたような声で現実に引き戻された


「なっ……何!?貴方達!?えっ……!?」


どうしたんだろう


不思議に思ったけれど、身体を起こすのも面倒くさい


そう思っていると扉が勢いよく開かれた

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