
言葉で聞かせて
第13章 言葉で聞かせて
千秋目線
大好きな悠史さんが帰ってきた
ずっとずっと会いたかった
けど、僕から会いに行くことは出来なかった
どこにいるのかわからないっていうのもあったけど
それよりも、怖かったから会いに行けなかった
やっぱり男の僕なんかより女の人の方が良いってわかってたから
いつかこうなるかもしれないって、予想できなかったわけじゃないから
女の人を選んだことが、世間的には当然のことだって
自分にたくさん言い聞かせたけど足りなくて
苦しくて
だからもう一度会えてよかった
僕はもう嫌われてしまったんだと思ってたから
本当に
嬉しくてしょうがない
はずなのに
頭の中に昨日の敦史さんの顔がフラッシュバックした
どうして
あんなことになったんだろう
無理やり僕を押し倒した敦史さん
僕の古傷を抉ったとか
トラウマとか
声、とか
僕にはそんなことどうでもよくて
そんなことよりも
あの時
敦史さんが僕に覆い被さって身体を揺らしていた
あの時
僕の上に降ってきた温かい雫を今もずっと忘れられないでいる
それが涙だっていうことに気がついていたくせに、出て行こうとする敦史さんを止められなかった
そのことが、心臓を引き裂いてしまいたいくらいに口惜しい
大好きな悠史さんが帰ってきた
ずっとずっと会いたかった
けど、僕から会いに行くことは出来なかった
どこにいるのかわからないっていうのもあったけど
それよりも、怖かったから会いに行けなかった
やっぱり男の僕なんかより女の人の方が良いってわかってたから
いつかこうなるかもしれないって、予想できなかったわけじゃないから
女の人を選んだことが、世間的には当然のことだって
自分にたくさん言い聞かせたけど足りなくて
苦しくて
だからもう一度会えてよかった
僕はもう嫌われてしまったんだと思ってたから
本当に
嬉しくてしょうがない
はずなのに
頭の中に昨日の敦史さんの顔がフラッシュバックした
どうして
あんなことになったんだろう
無理やり僕を押し倒した敦史さん
僕の古傷を抉ったとか
トラウマとか
声、とか
僕にはそんなことどうでもよくて
そんなことよりも
あの時
敦史さんが僕に覆い被さって身体を揺らしていた
あの時
僕の上に降ってきた温かい雫を今もずっと忘れられないでいる
それが涙だっていうことに気がついていたくせに、出て行こうとする敦史さんを止められなかった
そのことが、心臓を引き裂いてしまいたいくらいに口惜しい
