
言葉で聞かせて
第13章 言葉で聞かせて
なんて馬鹿なんだろう
なんて愚かなんだろう
って自分を責めた
あの時ちゃんと引き止めてたら
敦史さんを傷つけていなかったら
敦史さんがいて
悠史さんが帰ってきて
3人で笑い合うことが出来たのに
僕の馬鹿
死んでしまえばいい
いっそ本当に自分を傷つけてしまおうとも思ったけれど、その度に頭を過るのは愛する2人の顔で
自分の未来を潰して、全てを捨てて僕を守ってくれた悠史さん
と
破壊衝動を抑えるために、僕の元を去った敦史さん
2人からの溢れるほどの愛が
僕を満たして
傷をつけるなんて、出来るはずがなかった
僕が2人に差し出せるのはこの身体しかないから
朝起きた時、シーツについた血の染みと身体に残った激痛が昨夜のことが現実だと痛いほど知らせてきた
だけど僕は誰もいない部屋で蹲って
夢から覚めるのをまっていた
インターフォンが鳴って、出た先に悠史さんの顔があった時
僕は神様にでも会ったような思いだった
本当に帰ってきてくれたって
ドアを開けた時申し訳なさそうに立つ悠史さんが、ちゃんと本物だって確かめるために強く抱き締めた
悠史さんが抱き締め返してくれて、ちゃんと本物だってわかったけど
それと同時に敦史さんがいなくなってしまったのも現実なんだって受け入れなきゃいけないことに酷く落胆した
