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言葉で聞かせて

第13章 言葉で聞かせて


悠史さんに敦史さんがいない理由を聞かれて、僕は本当のことを言うか悩んだ

きっと悠史さんなら、敦史さんのしたことを最初は怒るだろうけど最後には許してくれる

けど、その後に何か亀裂が生じるんじゃないかって、不安で


だから
僕が考えた敦史さんが去って行った訳を紙に書いた


『僕が悠史さんばかり気にしていたから、怒ってしまったんだと思います』


それを見た悠史さんは呆れ顔で


「全く……敦史は本当に、困った人ですね……」


と言った


良かった
なんとか信じてくれたみたい


腰のことも聞かれたけれど、敦史さんは関係ない、今は話したくないと言ってどうにか誤魔化した


「敦史がいなくなったのは今日ですか?昨日?」
『今日です』
「あぁ、だから……」


だから?
なんだろう?


悠史さんの含みのある言い方に首をかしげると、それに気がついてくれた悠史さんが少し笑って答えてくれた


「だから、僕を助けに来たのが敦史じゃなかったのかって」


それを聞いて、僕も小さく笑う


だってそれって、悠史さんは敦史さんが助けに来てくれるって信じてたって事でしょう?
本当に、素敵な兄弟だなぁ

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