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言葉で聞かせて

第13章 言葉で聞かせて


3人で固まっていると、そこにお腹が鳴る音が響いた


「「!」」


うっ……
僕だ

朝から何にも食べてないから……


顔を真っ赤にさせて俯くと、それを見て全てを察したらしい2人が同時に笑う


「はははっ」
「ふふ、僕もお腹空きました」
「うぅ……ごめんなさい……」


折角いい雰囲気だったのに
僕の馬鹿……!!


「お前、今日倒れたのも飯食ってねぇからだろ」
「栄養不足ですか。ごめんなさい、千秋さん。僕たちのせいで」


しゅん、と頭を下げた2人に僕は慌てて弁解する


「そ、そんな落ち込まないで下さい……!!こういう時にちゃんと食べれないのは僕のせいなんですから」


そしたらあの体育館の裏で話は終わっていたかもしれないし


そう考えて、そういえば、と思い出した


「そういえばお2人は僕が気を失っている時にどんな話し合いをされていたんですか?」


時間を見れば恥ずかしいことに僕は何時間も気を失っていたみたいなんだけど、そんな何時間も僕がどちらを好きかなんて不毛なやりとりをしていたのかってふと気になった

それをそのまま口に出してみると


「……内緒、です」
「だな」


2人は目を合わせて、可愛らしく微笑んだ

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