
言葉で聞かせて
第13章 言葉で聞かせて
「えっ、教えてくれないんですか?」
そんな、仲直り出来たと思った直後に秘密だなんて
あんまりだ
でも僕がどんなに2人を見つめてお願いしても2人は「秘密だ」って言って話してくれなかった
「それじゃあ僕はご飯を作ってこようかな」
「俺も手伝う」
「ぼ、僕も行きます」
最終的にはキッチンに逃げようと(?)するから、すかさず僕も行くと主張する
けれど、今度も僕は2人に「ダメ」と言われてしまった
「千秋気がついてねぇの?」
「え?」
「千秋さんさっきから顔色が真っ青です。きっと今日色々あったから、栄養も取らないで動くのに限界なんでしょう」
優しく微笑んだ悠史さんは軽々と僕を持ち上げて、ベッドに逆戻りさせられる
ゆっくり寝かされると、敦史さんが布団を掛けてくれた
「ゆっくり寝てろよ、病人」
悪戯っ子のような顔で笑う敦史さんに、その横で敦史さんを見て微笑む悠史さん
なんだか……
「お2人が、前よりも仲良くなったように見えます」
僕にももっと構ってほしい、っていう皮肉も込めて思ったことを言ってみる
すると驚いた顔の2人がまた目を見合わせて笑った
「お前がいるからだろ」
「千秋さんのお陰ですね」
