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言葉で聞かせて

第13章 言葉で聞かせて


結局僕よりずっと頑固な年下の恋人達は無理矢理僕を納得させて食事に気を向かせることに成功した


「美味いか?」
「美味しいですか?」


2人揃ってキラキラとした目で見つめる姿は流石双子、と言わんばかりに似ている


本当に、仲良しになったなぁ
何があったんだろ


「とっても美味しいです」
「そうか」


僕が食事を食べれば食べるほど何故か敦史さんはご機嫌になっていく

そして1日食べてないくらいで胃が縮んでるわけねぇだろ、とお腹いっぱいになるまで僕に食事を与え続ける



「ご馳走様でした」
「あぁ」
「お粗末様でした」


最終的にお鍋一杯のお粥は全て僕のお腹の中におさまった


「はぁ……お腹いっぱいです……」
「良かったな」


敦史さんは尚もご機嫌で、僕の頭を撫でてくれている

悠史さんはそれを知ってか知らずか食器を持ったまま台所に行ってしまった

すると敦史さんが


「よし、じゃあ風呂入るか」


と僕を立ち上がらせた


「はい」


確かに色々動き回ったりしたせいで汗を掻くような時期でもないのに少し汗臭くて、お風呂でさっぱりしたい


「じゃ、支度してくるわ」
「えっ……」
「あ?」


お風呂って


「敦史さんも入るんですか?」


僕の問いに敦史さんは顔をしかめる

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