
ずっと君が好き。
第1章 ヒロセコウキ。
「……ろせ……廣瀬!」
ウトウト気味の隣の席の奴。
あたしはなんかイライラして、奴の頭を思いっきり叩いた。
「……ってーーーな!!」
あ、起きた。
あたしに感謝なさい。
「廣瀬、ようやくお目覚めか?この問題、よろしく」
先生が白いチョークで教卓を叩きながら楽しげに言う。
「はあ!?」
あーもう、相変わらずのバカ。
だからこのあたしが起こしてあげたんじゃんか。
「……んどくせーなー、起こすなよおせっかい」
席を立つと同時に、あたしの方をちらっと見て独り言にしては大きな声で言う奴。
「なに!せっかく人が…!」
む、むかつく。
からまた叩こうとするあたし。
「あー、はいはい!ありがと薫くん!」
そうやって笑ってみせる奴。
そして黒板に走り、問題に目を通した。
