テキストサイズ

missing☆ring【完】

第4章 3年前。

あんなに賑わっていたお祭りも人が居なくなり、私と陸の間にむせるような熱い風が吹く。




その風に陸のクセ毛がなびいて、陸が風の方へと顔を向けた。
その陸の横顔に泣きそうになる。



少し困ったような、
少し切ないような、





「帰ろうか……」




私は来た道に視線を向けてそう言った。



来る時は、陸の後ろ姿にドキドキして、
陸と繋いだ手にドキドキして、
なのに今は、陸の後ろ姿に泣きたくなって、
陸と繋いでいない手が冷たくなっていた。






ストーリーメニュー

TOPTOPへ