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missing☆ring【完】

第4章 3年前。

夏休みに会ったのはそれが最後。
陸からの連絡も誘いも、それなりの理由を付けて断っていた。



新学期が始まり、同じクラスじゃない陸に安心する。
そして心配する。





「裕実」





それでも陸は私の教室に顔を出す。




「昼、屋上行かね?」


「……うん」




そして昼休み。
購買部で何時ものようにチーズパンとカフェオレを買い、陸が待つ屋上へと足を向けた。




一歩、一歩、屋上へと向かう足が重い。
気分も沈む。



涙が出そうになる。
前はこんなんじゃなかった。
陸の隣が一番安心出来て、陸の隣が一番笑えていたのに、



ズーズっと鼻をすすり屋上の重いドアを開けた。



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