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missing☆ring【完】

第4章 3年前。

「ごめん。陸」



私は逃げ出した。
優しくしてくれた陸から、
居場所を残してくれた陸から、



「裕実!」



そう何度も呼んでくれている陸から、




「あれ?裕実、屋上でお昼じゃなかったの?」



全速力で屋上から逃げ出してきた私に不思議な顔で友達が私に聞いてきた。



「あっ、寒くて」



ズーズーっと鼻をすすりと「風邪引いたんじゃないの?」と有難い勘違いをしてくれた。



「今日は……帰る」



カバンを持ちそのまま教室を出た。




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