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missing☆ring【完】

第5章 1年前。

それから数日後に綾子からメールが来た。



大晦日に高校がある駅前に8時に集合。
メンバーは修学旅行のメンバー全員参加。



陸に会いたい。

また『裕実』って呼んで欲しい。
また陸と笑いたい。




陸に会いたくない。

また『裕実』って呼ばれて切なくなる。
また陸と笑って欲が出る。



どんなに考えても、最後には陸に会いたいって気持ちが勝ってしまう。




そして前日……陸から電話が来た。



「裕実、久しぶり」



久しぶりの陸の声。
久しぶりに陸から「裕実」と呼ばれた。
たった二言だけなのに、鼻がツーンとなって涙が出そうになる。



「久しぶり……陸。元気だった?」



久しぶりに「陸」と名前を呼んだ。



「まぁ、まぁ、か。裕実は?」


「私も、」




久しぶりなのに久しぶりじゃない陸の声。
私はずっと覚えていたから。






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