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missing☆ring【完】

第5章 1年前。

久しぶりの陸の姿に目頭が熱くなる。
ギュッと胸が苦しくなる。



「車どうしたの?」


綾子が聞くと「あぁ、車で帰ってきたから」と陸が答え「乗って」とドアに視線を向けてまた運転席へ戻った。



綾子がドアを開け一番後ろに乗る。
その隣に雅美が座り、真ん中には典幸が居て私はその隣に座った。



「一応、店予約しておいたから」



助手席から顔を出して小林がそう言った。



みんな少し大人っぽくなっていた。
だけど、口を開けば昔と変わらない。



「マジあの上司はあり得ねー」



典幸が愚痴れば「それは典幸が悪いんじゃん」と後ろからポカッと綾子が典幸の頭を叩く。



「は?俺?何でだよ。なぁ、小林。俺が悪い?」



体を乗り出して小林も巻き込む。



「あっ聞いてなかった」


「聞いてろよ」



みんなが笑う。
3年前に戻ったように笑い合う。
昨日まで一緒にいたように、
離れていた時がないように。



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