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missing☆ring【完】

第5章 1年前。

小林が予約してくれたお店に行ってからもこんな調子だった。


「ほら、飲めよ陸」


「いや、だから俺運転だから」


「代行頼めばよいだろう」


「ちょっと、小林。典幸っていつもこんななの?」



綾子が小林に小声で聞くと「何時も」とチラッと典幸を見て自分のグラスに口を付けた。



「絡み酒?」


「何時もはもっとましなんだけど、まぁ、今日は特別な」


「特別?」


「振られたんだよ。こないだ」



小林は少し遠慮するように言う。



「典幸、次は何飲む?」



私は典幸の隣に座ってメニューを広げた。


「じゃあ、次は……」



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