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missing☆ring【完】

第5章 1年前。

陸と御詣りをしてから「おみくじ引こうよ」と私は陸を引っ張った。



「また二人で小吉だったらどうする?」


「そしたら、また高い所に結ぶ」



私はそう言っておみくじを引いた。



「えー。末吉。陸は?」


「俺は……あっ、大吉」


「いいなー大吉」



陸はそのおみくじを私の目の前に出して「交換してあげるよ」



「交換しても意味ないじゃん」


「意味はあるよ。大吉を引いた俺にも良いことあるし、それを持ってる裕実にも良いことあるよ」



私の手から末吉のおみくじを取り「はい」と代わりに大吉のおみくじを握らせた。



「で、末吉を引いた裕実には嫌なことの半分。残りの半分はもらった俺に」



そんなことを言いながら近くの枝におみくじを結びつけてくれた。


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