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missing☆ring【完】

第6章 最期の時。

私はずっと握り締めていたものを陸の手元に置いた。
誰にも気付かれないように。
そっと……。



それは陸と最期に会った時に、陸がくれた"大吉"のおみくじ。



やっぱり、陸が持ってないとダメだったんじゃん。
私に幸せを半分くれたから……。



私が陸のmissing ringに繋がるのなら、陸がそう言うなら、陸が居ない私には幸せはないよ。



陸が持って行ってよ。
私が陸と同じ景色をまた一緒に見る時に、その時にまた私にくれれば良いから。
それまでは、私の半分を陸に上げるから……。



本当はもっと陸をみつめついたかった。
冷たい陸だけど、もっと触れていたかった。



きりがない。
私はギュッ唇を咬み。
陸に笑顔を見せた。



陸。
大好きだよ。




私は陸の最期の顔を瞳に焼き付け、おばさんに頭を下げ陸に背中を向けて、綾子達が待つ方へと歩き出した。





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