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暗闇で恋しましょう

第4章 それは手の届かぬ場所に

それでも、ふふと声が出てしまう程には幸せ極まりない。



あー、ダメだ

暫くはこの手、取れないなぁ



“貴方の些細な言動で私は、こんなにも幸せなんです!”



取ったら、こんな顔見せたら、そんな風に宣言しているも同然だもん。


むしろ見せて、ひぃちゃんに自覚させるのも一興なんだけど。



だって、凄い事だよ?



自分の言動が相手の幸せに繋がってるんだから。


流石のひぃちゃんもそれが分かれば、狼狽える気がするんだけど.....


やっぱり見せたくないのは、恥ずかしいのと、悔しさ少々。


だって、私だけってずるくない?


ひぃちゃんも私の言動で、影響を受けるべきそうすべき。


ふんすと鼻を鳴らした時。



「.....どんな、夢見てたんだ」



きんと場の空気が、冷えた。


ひぃちゃんの目線は、再度雑誌に向けられているのに、睨まれているような感覚を得る。


確かに、私の言動で何かしら影響を受けて欲しいと願ったけど、負の方に動くとは。


ひぃちゃんは、私の夢の内容を察してるんだ。


あの大きな麦わら帽子は、お母さんのもので、あの海は行ったことがある場所で。

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