
いつか手をつないで歩こう
第5章 告白
浩輔side
学校で講義中、友人の孝宏が話しかけてきた。
「浩輔、クリスマスはどうするんだ?」
まわりに気を使ってひそひそと話す。
「24日は家にいてやんなきゃな。
男もいないさみしい姉貴のためにさ」
「は〜ったく。おまえさ、いい加減姉ちゃんから離れろって。
おまえとイブに過ごしたがってる女の子が、どれだけいると思ってんだよ?」
「そんなの知らねぇし。とにかく今は、誰ともつきあう気がないんだ」
「だったら25日は俺らにつきあえ。カラオケ行ってパーッと騒ごうぜ?」
「ああ、いいよ」
毎年クリスマスイブだけは…
美雪の傍にいてやりたい。
決してひとりにしないから。
俺がそうしたいんだ。
美雪と一緒に、イブを過ごしたいんだよ……。
