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いつか手をつないで歩こう

第7章 二人の間で


前野さんはタクシーで、私を家まで送り届けてくれた。


「今日はありがとうございました」

「君と食事ができて嬉しかったよ。資料室で言ったこと、あれは本気だから」

メガネの奥の目が、私をじっと捉える。


「…失礼します」

「うん。また明日」

私はタクシーを見送ると、部屋へ向かった。

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