
いつか手をつないで歩こう
第11章 雨
唇が離れてしばらく沈黙があった。
俯いたままの私。
浩輔、今どんな顔してる?
とっさに自分からキスをしてしまった。
どう思っただろう…。
だけど
もうこの想いは、隠せそうにない…。
すると先に口を開いたのは浩輔だった。
「よし夕飯は俺が作ろう。だから姉貴はさっさと風呂入ってきて」
「…いいの?」
じっと見つめる私に、浩輔はにっこり笑った。
「いいよ。俺だって料理ぐらいはできる。ばかにするなよ?」
「じゃあ、お願い」
ーーーー
「わあ、おいしそう。いただきます」
「うん、まあまあかな」
「おいしいよ。とっても」
浩輔
私のお願い聞いて…?
私の初めてを
あなたに
あげたい……。
