
いつか手をつないで歩こう
第15章 桜
浩輔side
授業中、孝宏が話しかけてくる。
「まなちゃんの親、離婚が決まったらしいぞ。まなちゃん、またお父さんと一緒に暮らすってさ」
「良かった…」
「な、里沙に聞いたんだけど。おまえ一度も彼女に手を出さなかったんだって?」
「あのさー、俺をなんだと思ってんの?」
「はははっ、わりぃ。だけどまなちゃん、おまえに気があったみたいだし。あのまま付き合っても良かったんじゃないか?」
「…」
孝宏
俺が、実の姉を家で抱いてるなんて
親友のおまえにさえ、俺は言う事ができないんだ……。
