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ルナとお兄ちゃんの性教育♡

第10章 新たな1歩

─ルナSide─空港にて


「ルナ、時間だ」


「・・・うん」


そう言って、裕也さんの元へ歩みを進める


裕也さんの目の前まで行くと、裕也さんは私の頭をポンと軽く叩いた


「ルナ、別れの時間だ」


「えっ?」


顔を上げると、裕也さんはいつもと変わらない笑みを浮かべていた


「ルナ、お前は日本に残れ」


「どう・・・して・・・?」


「ルナ、好きな奴がいるんだろ?」


裕也さんの言葉に目を見開く


「他の奴を想っているルナを傍で見ているのは、俺が辛いからな・・・だから、アメリカには俺だけで行く」


「でも・・・」


それじゃあ、お兄ちゃん達を忘れられない・・・


すると、裕也さんは私の頬を優しく撫でた


「俺を利用するのは、もう止めてくれないか?」


「っ!」


「好きな奴を忘れようとしている時点で、ルナはそいつを想い続けている、そんなんじゃあ、アメリカに来ても忘れられる訳がない」


「だったら、好きな奴と一緒に居た方がいい」そう言って、自分だけの荷物を持ち搭乗口へと歩みを進める裕也さん


「裕也さん!」


私の呼びかけに裕也さんが振り返る


「・・・ごめんなさい」


裕也さんを好きになれなくて、ごめんなさい


好きな人が、お兄ちゃんでごめんなさい


裕也さんを利用して、ごめんなさい


色々な想いを込めて、裕也さんに『ごめんなさい』を送る



「誤るなよ、それに
ルナを諦めたわけじゃねぇよ」


「えっ?」


「数年後、日本に戻ってきたら、必ずルナを振りむかせてみせる」


そう言う裕也さんの顔は、自信に満ち溢れていた


「ほら、早く行けよ」


裕也さんに一礼をし、私は走り出した


だから、最後に裕也さんが「兄貴達と幸せに」と呟いた事は、知らなかった・・・



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