Fallen Angle
第2章 in
急いでタクシーに乗り込み、歓楽街へと走らせる。
降りるとピンヒールの踵を鳴らして振り向く人の波を縫い、息をきらせながら店のドアを開けると店長がいて
「遅くなって…すみません」
「いいから早く着替えてきて。お客さんは先に来て待ってるんだから」
店長の冷めた口調に愛想笑いを向ける。
上がる息で着替えを済ませて呼吸を整えるとロッカーから出た。
ボーイに呼ばれると後を続き、テーブルからテーブルへと移動していく。
ヘルプに着いている女に愛想を振り撒きながら客の機嫌を取り、少しでも長く延長をさせては売上の為にボトルを空けていき、甘えてはサイドメニューをねだる。
仕事が終わる頃には気疲れとストレスに張り付いた笑顔があった。
明日、来週と店に来て貰うため営業メールを客に送りながらタクシーに乗り込んで走らせ、いつものようにバーに向かう。
店に入るなり
「疲れた。お腹空いた。眠たい」
いつのも席に座り、カウンターにうなだれていると悠は呆れ顔で
「どれかにしろよ。気休めだけどこれでも食っとけ」
チョコレートとミックスナッツの入った硝子の器を蓮の前に置いた。
「ありがと」
チョコレートを口に頬張る。
「そんな疲れるほど忙しかったのか?」
ミキサーの氷を砕く音が響く。
「ううん…ちょっとね」
「仕事を頑張るのも構わないけど無理するなよ?いつでも甘えていいんだからな」
「…うん」
苺が添えられたカクテルEARTHQUAKEを置くと、蓮の髪を撫でた。
隣の客が
「出た。悠は相変わらずシスコンだね」
「それも極度のね。完全に拗らせてるよ」
「だからモテる癖に彼女ができないんだよ」
小さく笑い合う客に恥ずかしくなり、苦笑を向けた。
添えられたストローでカクテルを飲み干すと
「帰るね…」
手を振って席をたつと
「外まで送るよ」
カウンターから出てくる悠と、一緒に外に出た。
ドアが閉まったと同時に蓮の腕を引き寄せ、唇が小さく重なる。
悠の胸を押すと
「もう、誰かに見られたら勘違いされるよ?」
「子供の頃からの挨拶なんだから構わないだろ?」
「…でも」
タクシーがパッシングしながら停まるのが見え、繋がれた手が離れると
「気をつけて帰れよ」
「分かってる」
後部座席に体を沈めて窓を開けると
「ありがとう。おやすみなさい」
手を振り笑顔を向けると閑散とした街を車は走り出す。
蓮は唇をなぞった。
降りるとピンヒールの踵を鳴らして振り向く人の波を縫い、息をきらせながら店のドアを開けると店長がいて
「遅くなって…すみません」
「いいから早く着替えてきて。お客さんは先に来て待ってるんだから」
店長の冷めた口調に愛想笑いを向ける。
上がる息で着替えを済ませて呼吸を整えるとロッカーから出た。
ボーイに呼ばれると後を続き、テーブルからテーブルへと移動していく。
ヘルプに着いている女に愛想を振り撒きながら客の機嫌を取り、少しでも長く延長をさせては売上の為にボトルを空けていき、甘えてはサイドメニューをねだる。
仕事が終わる頃には気疲れとストレスに張り付いた笑顔があった。
明日、来週と店に来て貰うため営業メールを客に送りながらタクシーに乗り込んで走らせ、いつものようにバーに向かう。
店に入るなり
「疲れた。お腹空いた。眠たい」
いつのも席に座り、カウンターにうなだれていると悠は呆れ顔で
「どれかにしろよ。気休めだけどこれでも食っとけ」
チョコレートとミックスナッツの入った硝子の器を蓮の前に置いた。
「ありがと」
チョコレートを口に頬張る。
「そんな疲れるほど忙しかったのか?」
ミキサーの氷を砕く音が響く。
「ううん…ちょっとね」
「仕事を頑張るのも構わないけど無理するなよ?いつでも甘えていいんだからな」
「…うん」
苺が添えられたカクテルEARTHQUAKEを置くと、蓮の髪を撫でた。
隣の客が
「出た。悠は相変わらずシスコンだね」
「それも極度のね。完全に拗らせてるよ」
「だからモテる癖に彼女ができないんだよ」
小さく笑い合う客に恥ずかしくなり、苦笑を向けた。
添えられたストローでカクテルを飲み干すと
「帰るね…」
手を振って席をたつと
「外まで送るよ」
カウンターから出てくる悠と、一緒に外に出た。
ドアが閉まったと同時に蓮の腕を引き寄せ、唇が小さく重なる。
悠の胸を押すと
「もう、誰かに見られたら勘違いされるよ?」
「子供の頃からの挨拶なんだから構わないだろ?」
「…でも」
タクシーがパッシングしながら停まるのが見え、繋がれた手が離れると
「気をつけて帰れよ」
「分かってる」
後部座席に体を沈めて窓を開けると
「ありがとう。おやすみなさい」
手を振り笑顔を向けると閑散とした街を車は走り出す。
蓮は唇をなぞった。
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