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Fallen Angle

第2章 in

タクシーを飛ばして住宅街を走らせ、店に行く前に寄った託児所のあるマンション前で車を停めた。
エントランスを抜け、玄関のチャイムを鳴らしてもドアの向こうは真っ暗で静まり返ったまま。
何度か鳴らすと明かりがついて扉が開き、出てきた女は眠そうに不機嫌な顔を浮かべている。
「すみません…遅くなって」
「遅くなるならなるで早めに連絡くれませんか?」
「…はい」
強い口調に押され、思わず愛想笑いを向けてしまう。
女にバッグを渡されると肩に掛け、眠って重くなったパジャマ姿の唯を委ねられて抱えると
「ありがとうございました」
会釈して静かにドアを閉めた。
小さなぬくもりを抱えたままタクシーに乗り込んだ。
リアウィンドウは群青から薄青に染め変えられていく。
マンション前でタクシーを降り、静かにドアを開けると部屋に入り、ベッドに結を寝かしつけた。
隣で駿が寝返りを打ち、目を覚ますとゆっくり起き上がり掠れた声で
「…おかえり」
唯を跨ぐと蓮に近寄り、ベッドに凭れるように座ると
「また悠さんの店?」
「…今日は飲みたい気分だったから」
冷たく言い放ち目線を合わさずにクローゼットからスウェットを取り出した。
「そうなんだ…客から逃げる時はいつも悠さんの店だから今日もそうかなって…でも仲がいいから兄妹だけど妬けちゃうよ」
機嫌を窺うように放つ駿の言葉を無視して、ワンピースを脱いでスウェットに脚を通すと
「駿はいつ帰ってたの?」
「12時くらいかな」
スウェットに着替えて駿の隣に座り
「…今日の事なんだけど」
「どうしたの?」
「出かけるのは構わないんだけど連絡くれないと困るよ。予定がたたない…」
「ごめんね。今度からそうする」
「それに今日、何の日か忘れてない?」
「何が?」
不思議そうに蓮を見つめる顔に
「もういい…」
目線を逸らして背中をむけた。
「何で怒ってるの?」
背中に手をまわし抱き寄せると、スウェットの中に手を滑り込ませて胸の膨らみをなぞる。
「気持ちいい?」
「もう…」
体を捩るとベッドに倒され、覆うように駿が跨り、スウェットをたくしあげる。
胸を押して
「…今日はだめ」
「明日ならいいの?」
目線を逸らして
「…知らない」
ベッドに潜ると柔らかな蓮の胸の膨らみを揉みながら顔を埋めて
「蓮の胸、柔らかくて気持ちいい」
「駿のバカ…」
髪を撫で、駿を抱きしめると眠りに落ちた。

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