Love Song ~キミに捧げる歌~
第2章 彼女の誕生日
俺は、彼女のご両親にお辞儀をしてから、彼女の部屋にゆっくりと入って行った。
「…恋歌ちゃん。」
「えっ? …あ、剛典君…。」
お互いにしばらく黙った後、恋歌ちゃんがゆっくりと口を開いた。
「ねえ、さっきの私達の会話って、外まで聞こえてた?」
突然の質問に、俺は一瞬固まってしまった。
「えっ? …あ、うん…。」
「そっか。 …じゃあ、分かるよね。 私がもう永くない、って事。」
「あ、うん…。」
「…そう言えば、うちらってまだちゃんと自己紹介してなかったよね?」
「え? あ、そうだね。」
「する?」
「うん。」
「もう永くない、って分かっても?」
「そんな事言わないでよ。」
「あ、ゴメン…。」
「聞きたいな。 …何となくだけど。」
「そっか。」
「…あ、やっぱり俺から言ってもいい?」
「あ、うん。 いいよ。」
「俺は、岩田剛典。 1989年3月6日生まれ。」
「あ、年上だったんだね。」
「えっ!?」
「ううん、何でもない。
…私は、菅原恋歌。 1994年2月14日生まれ。」
「誕生日、バレンタインなんだ。」
「そうだよ。」
「…って、ちょっと待って。」
「何?」
「俺よりも年下だったの?」