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Love Song ~キミに捧げる歌~

第2章 彼女の誕生日

「そうみたいね。」
「俺、ずっと年上だと思ってた…。」
「えっ!? 何でよ。」
「いや、凄い大人っぽかったし…。」
「人を見た目で判断しちゃだめよ。」
「そうだね…。」

「…そっか。 剛典君、誕生日3月なんだ…。」
「? どうしたの、急に。」
「うん。 さっき、両親から聞いてさ。 …私の残り時間。」
「えっ…。」

「…今から話すこと、結構重いよ? 聞かないで逃げるなら、今のうちだよ?」
そう言って、彼女は笑った。

…でも、俺は聞きたかった。
彼女が落ち込んでいる所を、見ていたくはなかったけど…。

「聞く。」
「そっか。 …私ね、1年位前から、ずっと入院してるの。 原因、何だと思う?」
「えっ? 何かの病気でしょ?」
「そりゃそうでしょ。 病気じゃなかったら入院しないもん。」
「あ、確かに。」

「…小児がん、だよ。」
「えっ、ウソ…。」
「ウソじゃないよ。 それで、見つかったのが入院する数日前。 …もう、末期に近い状態なんだって。」
「あ…。」
「だから、成人するまで生きられない、っていうのはもう分かっていたの。 だから、こんなに長くいられるのも、奇跡かもしれない。」
「そうなの?」
「うん。 
…私は、希望を捨てたくはなかった。 …例え、生きられない事が分かっていても。
…ずっと、そう思ってたのに…。
今になって、まさかの余命宣告だよ。 …残り、3ヶ月だって。」

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