Love Song ~キミに捧げる歌~
第2章 彼女の誕生日
「…。」
「私、剛典君の誕生日まで、生きてられるか分からないの。 …自分の誕生日でさえも、ギリギリ。」
「そんな…。」
神様は、なんでこんなに良い子まで…。
何で、良い人ばかりを苦しめるんだよ…。
何で、必死に生きようとしてる人達ばっかり…。
「…剛典君。」
「ん? 何?」
「もうすぐ退院なんだってね。」
「え? 誰から聞いたの?」
「看護師さん。」
「そっか。」
「おめでとう!」
「うん、有難う…。」
「どうしたの? 嬉しくないの?」
「うん、あんまりね…。」
「何で?」
「だって、これからもリハビリしなきゃいけないんだよ?」
「別にそれ位良いじゃない。」
「それに…!」
「…私の事?」
「えっ、と…。」
俺は、図星を突かれて固まってしまった。
「やっぱりね…。」
「え?」
「私の事、気にしてるんでしょ?」
「うん…、まあ…。」
「私の事なんか、気にしなくていいのに…。」
「気にするよ! だって、俺は…!」
「「俺は」、何?」
「あ、ううん。 何でもない…。」
勢い余って、自分の気持ちを言ってしまいそうになった。
「? まあいいけど。」
「…そう言えば、恋歌ちゃんは将来の夢とかないの?」
「あのさ~…。」
「あっ、ゴメン…。」