Love Song ~キミに捧げる歌~
第2章 彼女の誕生日
「ほ…、本当に?」
「うん。 …じゃなきゃキスする訳ないでしょ」
「そ…、そっか…。」
「うん…。」
「…なんか、改めて聞くと恥ずかしいね…。」
「可愛いな~♪」
「ちょっ…! …そうやって人の事バカにして…。」
「え? 俺は、正直な感想を言っただけだよ?」
「もう…。」
俺は、恋歌ちゃんの手を握った。
「恋歌ちゃん。」
「何?」
「これからも、ずっと一緒に居てね?」
「うん…。 …でも、私後少ししかいられないよ?」
「それでも!」
「じゃあ、ずっと見守ってるから。」
「…なんか不吉…。」
「ゴメン。」
恋歌ちゃんは、そう明るく言っていたが、ふと彼女の唇を見ると、微かに震えていた。
…こんなに小さい子でも、この先に自分を待ち受ける運命を分かっているのだろう。
…そう思うと、俺まで心が苦しかった。
「ねえ、剛典君。」
「ん?」
「さっき、「不吉」って言われたけど…。 これだけは言わせて?」
「何?」
「私の残りの人生、楽しくさせてね!」
そう、彼女に言われてしまったら、俺の答えは一つだけ。
「分かってるよ! 当たり前じゃん!」
…そう言葉を交わしたその日、俺達は遅くまで一緒にいた。
それからも、時折会っていた。
…彼女に会える嬉しさもある半面、日に日に衰弱していく彼女を見ているのは、とても辛かった。