Love Song ~キミに捧げる歌~
第3章 哀しき別れ
「あのね…。 さっき、恋歌ちゃんが急に倒れて…。」
「えっ…。」
「今は、少し落ち着いてはいるんだけどね。」
「良かった…。」
「でもね…。 こんな事言っちゃあれだけど、恋歌ちゃん、もう永くはないと思うの。」
「…嘘、ですよね…?」
「ゴメン…。」
「謝らないで下さい。」
「うん…。 …それで、お願いがあるんだけど。」
「…何ですか?」
俺に出来る事なら…、何でもしてあげたい…。
彼女が生きているうちに…、もう一度会いたい…。
「恋歌ちゃんね、さっき目覚めてからずっと、剛典君の事言っているの。」
「えっ…?」
「例えば、剛典君との思い出話とか…。」
「そうなんですか…。」
「それで、1つの話が終わると、「剛典君に、もう一度だけでいいから会いたい…。」って必ず言うの。」
それを聞いて、俺はいてもたってもいられなくなった。
「あのっ、今から恋歌ちゃんに会いに行ってもいいですか?」
「え、良いけど…。 …でも、もう夜だよ?」
「母親に頼んで、何とかします。」
「…そっか。 分かった。 待ってるね。」
「はい!」
「あっ、恋歌ちゃんの病室、覚えてる?」
「当たり前じゃないですか。」
「良かった。」
「じゃあ、また後で。」
「うん。 恋歌ちゃんに伝えておくね。」
「分かりました!」