Love Song ~キミに捧げる歌~
第3章 哀しき別れ
「ねえ、剛典君…。」
「うん? 何?」
彼女は、外を見て微笑んでいた。
「月が…、綺麗だね…。」
「えっ? …あ、本当だ…。」
俺は、いつの間にか彼女の手を握っていた。 …そして、そのまま2人で外を見ていると、不意に彼女がこっちを向いた。
「…?」
「ねえ、知ってる?」
「何を?」
「あのね、「月が綺麗だね」って、昔、とある英語を訳したものだったんだって。 …何だかわかる?」
「えっ、そうだったの? 全然知らなかった…。」
「フフフ…。」
「う~ん、分かんない! 教えて?」
「うん、良いよ。」
彼女はそういうと、俺の手にキスをした。
「えっ、恋歌ちゃん!?」
「「月が綺麗だね」の意味はね…。」
「「I Love You」だったんだよ…。」
俺を上目遣いで見つめながら、囁くようにそう言った。
「えっ…。」
「剛典君…。 「月が綺麗だね」…。」
「そ…、そうだね…。」
「?」
「俺も、そう思ってる…。」
「本当?」
「うん! 誰よりも恋歌ちゃんの事大好きだよ!」
「そっか…。 …私もだよ?」
「恋歌ちゃん…。」